
出汁の素材選び
日本の食文化を支える出汁。
その深みと奥行きは、素材の選び方ひとつで変わります。
昆布の旨味、かつお節の香り、煮干しのコク…それぞれの素材が持つ個性を活かしながら出汁作りをしたいものですね。
今回は、料理に調和をもたらす出汁作りに欠かせない素材選びを学びましょう。
出汁の素材
スーパーには色んな種類の出汁の素材が売られています。
素材の特性を知り、見極め方がわかると、買い物の際に迷うことなく、目的に合った最適な素材を選べるようになります。
昆布
出汁用の昆布の種類は、大きく分けて真昆布、利尻昆布、羅臼昆布、日高昆布の4種類ありますが、家庭用であれば、風味のバランスが良く扱いやすい真昆布が向いています。
昆布のいろいろ
- 真昆布:肉厚で幅広く、上品な甘みと旨味が特徴。
澄んだ出汁が取れるため、湯豆腐や鍋物に適しています。 - 利尻昆布: 黒褐色で硬め。
クセが少なく、すっきりとした旨味。
吸い物やうどんの出汁に適しています。 - 羅臼昆布: 濃厚な旨味と香りが特徴で、別名は「昆布の王様」。
出汁の色がやや黄色みを帯び、コクのある味わいが楽しめます。 - 日高昆布: 比較的手頃な価格で、煮物に適しています。
出汁はやや白濁し、磯の香りが強めです。

かつお節
かつお節は、出汁を取るなら「花かつお」や「厚削り」が適しています。「糸削り」や「細削り」は料理の仕上げに使います。
かつお節には赤い部分がありますが、これは血合いなので雑味の元となります。
高級なかつお節ほど、この血合いがなく真っ白なので、お正月や特別な日には真っ白のかつお節を使ってワンランク上げるのも良いですね。
普段使いには、血合いが入っているものでも問題ありませんよ。

煮干し
煮干しは、黄色く変色していないものや、ツヤのあるもの、腹割れのないものを選びましょう。
黄色く変色しているものは、脂肪分の酸化によるもので、出汁にすると生臭さが出ます。
ツヤのないものは、乾燥が不十分で脂焼け(酸化変質現象)を起こしています。
腹割れや傷があるものは、鮮度が古かったり、雑に水揚げされている可能性があり、割れた腹から栄養の流出があります。
